IT TREND BLOGOffice 365のグローバル展開の壁ご存知ですか?

  • 2018年11月15日
  • Office 365
  • グローバル展開

働き方改革や情報共有の促進の大きな流れを受け、日本だけではなく世界中でOffice 365を始めとするSaaS型グループウェアの活用が大きなトレンドとなっています。デジタルトランスフォーメーションを推進していくためにもこのタイミングで統合されたコミュニケーション基盤の整備に取り組まれているのではないでしょうか。国内のOffice 365だけでも導入時の課題が多くありますが、グローバルに展開しようとするとさらに多くの課題が待ち受けています。
一部の地域を除き、Office 365のグローバル展開を目指すのはグローバル企業にとって必然の流れと考えます。データ管理と海外とのコミュニケーション強化がその主目的にあげられます。しかしながらグローバル展開は多くの企業が実施している国内展開と異なる事情があることも事実です。その理由は大きく3つの特性から来ています。

Office 365に耐えられないグローバルネットワーク

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世界各国から日本へアクセスすることによる「コスト増」と地理的な「遅延」。
日本の場合でもフレッツの輻輳に影響が出ることもありますが、海外の場合は物理的に距離が遠いため、よりその影響が顕在化します。Office 365を展開したのはいいけれど遅くて使い物にならないのでは海外子会社の情報管理は遠いものになってしまいます。

一般的に海外子会社とのネットワークではIP-VPNを利用している場合と、インターネットVPNを利用している場合の2つがありますが、どちらの場合においてもそれぞれ難しい課題に直面します。IP-VPNの場合は日本側の回線と海外子会社側の回線双方を増速する必要があります。単純にコスト増となる上、機器の入れ替えも発生します。これだけで大きなプロジェクトとなる上、コスト負担の問題をどうするかなど課題は山積みです。海外子会社の売り上げ規模によってはそこまで予算は割けないことも多く、ビジネス拡大のための施策が逆に苦しめる結果ともなりかねません。
インターネットVPNを利用している場合はそれらに加え、どこのISPを通るかわからないため「遅延」の問題を解消できないという課題があります。国によっては国外通信については帯域制限がかけられており、国内のWebサイトを見る分には影響はありませんが、日本への通信となると極端に遅くなることが散見されます。
Office 365に集約することで結果的にネットワークの重要性がこれまで以上に増しており、海外ビジネス展開においてはますますグローバルネットワークの最適化は必須事項になっています。

海外子会社からのローカルブレイクアウトは難しい

日本よりも貧弱なネットワークインフラによる「帯域不足」「セッション数不足」に関してですが、前述の通り、多くのグローバル企業のグローバルネットワークはWeb、メール、業務アプリケーションを利用しています。その結果、国際回線帯域はコストが高いこともあり最低限で、ファイアウォールも最小スペックであることがほとんどです。そこでOffice 365を展開すると、大幅なコスト増による増速か、よく切断されるOffice 365を我慢して使うかの2択となってしまいます。

上記の悩みの結果、検討に挙げられるのが現地の海外子会社のインターネットからのローカルブレイクアウトです。既存の日本とのネットワークを利用せず、直接インターネットに接続することで帯域増速の問題を解消できないか検討されることが多いのではないでしょうか。
しかしながら、ここで3つの課題が壁となります。「Office 365通信の自動振り分けをどうするか」と「ローカルブレイクアウト時のセキュリティ対策をどうするか」と「距離による遅延」です。
1つ目はOffice 365のドメインやIPアドレスは頻繁に更新されるため、Office 365の通信はインターネット、それ以外はVPNという挙動をするには、従来のネットワーク機器では対応できません。しかも海外インターネットの「遅延」の問題は残ったままです。
2つ目の「ローカルブレイクアウト時のセキュリティ対策をどうするか」という課題も厄介です。
海外子会社は日本よりも脆弱なセキュリティレベルであるため情報漏洩リスクは増大し続けている一方で、海外のエンドポイント対策、外部/内部境界対策は事前に実施済みという企業はまだまだ少ないのが実態です。
その結果、海外子会社の端末と内部ネットワークがセキュリティホールになっているままOffice 365を展開していくことはリスクを大きくすることに繋がります。
3つ目の遅延ですが、複数の海外ISPを経由して日本のOffice 365にアクセスすることになりますので、原因も曖昧なまま改善もできず我慢しながらの利用となってしまい、利用者からの不満が募る結果となります。

海外子会社とのコミュニケーションは改善されるのか

海外子会社とのコミュニケーションは改善されるのか イメージ

仮に上記の課題をクリアしたとしてもネットワークとセキュリティ上、Office 365をグローバルに利用できるようになっただけです。実際の利用にあたって、本当にOffice 365で海外子会社とのコミュニケーションは改善されるのでしょうか。
ここが展開の狙いでもあり最も重要なテーマとなります。

結果的に展開したけれどメールの利用は今まで通り、予定表が共有できる程度では不十分であり、フルにOffice 365の恩恵を享受するには、いくつかの準備がさらに必要となります。
例えばですが、グローバルでよくあるコミュニケーションの1つに経営に携わる方々の会議が挙げられます。
その場合、現実的に海外子会社の社長と日本の経営陣との経営会議や定例会をMicrosoft Teamsのみで会議するのは想像し難いかと思います。
1対1のコミュニケーションであれば問題ないかもしれませんが、よくある経営会議は日本側から数人~十人程度が参加して、各国から1人ずつが参加するスタイルではないでしょうか。
そうなると日本の経営陣が全員PCで会議に参加されるのはあまり現実的とは言えません。実際には日本で頻繁に利用されているビデオ会議端末との連携が必要不可欠となってきます。
既存のビデオ会議などのコミュニケーションインフラとOffice 365との連携があってこそ、本来のグローバル展開の目的が達成されるのではないでしょうか。
そのためにもグローバルに発生するコミュニケーションにどういったものがあり、必要な要件を詰めたうえで、適切なツールを組み合わせていくことが求められます。
既存のコミュニケーション資産を有効活用しながらOffice 365と連携させていくことで、グローバルのコラボレーションを促進させていく土台作りが最終的には欠かせないポイントとなってきます。

グローバルガバナンスとコミュニケーション基盤の実現

Office 365をコミュニケーションの中心に添えて事業を展開していくには、Office 365に合わせたインフラを事前に準備することが1st Stepとなります。
具体的に解決策の実施を検討されているグローバル企業は次第に増え始めており、弊社にも上記に挙げた課題について多くのご相談を寄せて頂いています。
これまで挙げたOffice 365グローバル展開の壁に対する解決として、

① 耐えられないグローバルネットワークについては、クラウド活用を前提に設計されているグローバルSD-WANの利用が現実解として挙げられます。「帯域増によるコスト増」「セッション数増加」「遅延」をクリアした上で、Office 365のグローバル展開を支えます。
② 海外子会社からのローカルブレイクアウトについても、グローバルSD-WANの選定において、「セキュリティ機能」を内包しているソリューションを選定することで解決することが可能になります。
③ 最後に海外子会社とのコミュニケーションですが、分断されたコミュニケーションツールを連携するクラウドエクスチェンジサービスを利用するのが一番です。異なるメーカーのビデオ会議端末とOffice 365の接続を提供してこそ、利用促進に繋がり、コミュニケーションの円滑化につながります。

事前のネットワーク、セキュリティ、コミュニケーションインフラの整備を進めておくことで、Office 365のスムーズなグローバル展開を実現でき、海外事業の強化に貢献できるのではないでしょうか。