ニュース・2022
IIJグローバルソリューションズとExcelforeが協業 コネクテッドカー向け車載ソフトウェアの信頼性を高めるソリューションを「IoTトラストサービス™」を活用して提供
WP29の要求する証明書リポジトリ維持義務化への対応
2022年4月18日
株式会社IIJグローバルソリューションズ
Excelfore Japan株式会社
株式会社IIJグローバルソリューションズ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上 喜延、以下 IIJグローバル)とExcelfore Japan株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:二宮 志郎、以下 Excelfore)は、コネクテッドカー向け車載ソフトウェアに対するセキュリティ対策分野で協業し、新たなサービス開発に合意したことを発表いたします。
本協業の下、ExcelforeのOTA(Over the Air)技術とIIJグローバルのセキュリティサービスを組み合わせ、車載ソフトウェア更新の際の安全性を証明するサービスを開発します。2022年6月からPoC(概念実証)を開始し、10月からの本格提供を目指します。
協業の背景
近年、コネクテッドカーが徐々に普及をはじめ、自動走行や安全運転支援などIoT技術を使った新たな運転機能が注目されています。これらの機能は主に無線通信を介しソフトウェアによって制御されるため、自動車制御メカニズムのセキュリティ対策は非常に重要になっています。従来は整備工場での持ち込みが一般的だった車載ソフトウェアの更新も、最近はOTA技術で無線通信を介してのアップデートが主流になり、サイバー攻撃による制御データの改ざんや偽のソフトウェアの配信といったリスクが懸念されています。
そこで自動車基準調和世界フォーラム(WP29)(*)では、車両のサイバーセキュリティ対策に関するレギュレーションを制定し、2022年7月から適用が開始されます。
- WP29:自動車基準調和世界フォーラム作業部会29(国連で29番目にできた作業部会)。国連欧州経済委員会の下部に設けられた自動車基準の国際的整合化に取り組む組織で、世界で唯一の自動車基準の調和組織です。
本レギュレーションでは、無線通信によるソフトウェアアップデートに対応している車両は、開発時、製造時、製造後、それぞれのソフトウェア使用時におけるセキュリティが十分に考慮されていることの、サイバーセキュリティ管理システムによる証明(証明書リポジトリ維持)が必要とされ、車載ソフトウェア製造にかかわる事業者にはレギュレーションに対応した仕組み作りが求められます。
これを受け、ExcelforeとIIJグローバルは、車載向けOTA分野でExcelforeが提供するソフトウェア更新プログラム「eSync」とIIJグローバルが提供するIoTデバイスおよびファームウェアの正当性、安全性を証明するサービス「IoTトラストサービス™」を連携させ、車載ソフトウェアを遠隔で更新する際の安全性を証明する仕組みを開発し、コネクテッドカー向けのセキュリティサービスとして、自動車メーカー、車載機器ベンダーのお客様向けに提供してまいります。この仕組みを利用することで、車載ソフトウェア向けにアップデート証明書を提供し、動作するソフトウェアの信頼性確認が可能となります。
eSync OTAアップデートの証明書としてIoTトラストサービス™を活用
IoTトラストサービス™とソフトウェア配信元のeSync Serverが連携し、コネクテッドカーに配信するソフトウェア向けの証明書を発行し、eSync Server上で証明書の管理を行います。車載eSync Clientのソフトウェアを遠隔でアップデートする際、IoTトラストサービス™より発行される証明書を活用し、ソフトウェアの安全性を確認します。また、IoTトラストサービス™で認証した一連の情報はeSync Serverと連携し、管理されます。
WP29のレギュレーション規制に対応する一般的な方法には、第三者機関が運営する認証局(CA)によるデジタル証明書の活用がありますが、証明書発行の手続き、証明書の適用、有効期限管理、デバイス個々への登録作業など、認証の仕組みを導入するための手間とコストが発生します。
「IoTトラストサービス™」では、認証用公開鍵をセキュリティの強固なブロックチェーン上に格納し、プライベートCAとして運営します。eSync ServerからIoTトラストサービスAPIへのリクエストにより、証明書の発行から本登録まで自動で実施することで、第三者CA方式と比較して、より安価かつ手軽に、車載ソフトウェアの信頼性証明が可能となります。
提供イメージ

今後の予定
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2022年6月PoC開始(予定)
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2022年10月本番サービス提供開始(予定)
今後の展望
IIJグローバルとExcelforeは、今後、デバイス環境への依存が小さいeSIMへの証明書情報の組込みも検討し、eSIMをデバイスに搭載するだけで、デバイス個体とファームウェアの認証機能も付与できるパッケージの提供を目指します。
eSync ClientにもeSIMを搭載することで、より簡単にソフトウェア認証機能の実装が可能となります。
- IoTトラストサービス™について
- IIJグローバルが提供する「IoTトラストサービス™」は、アイビーシー株式会社が保有する「kusabi」の特許技術(※)を活用して開発した「新たなPKIシステム+管理サービス」です。ブロックチェーンを活用してIoTデバイスおよびファームウェアの正当性、安全性を証明し、なりすましや改ざんを防ぐユニークなプラットフォームサービスで、デバイスソフトウェアへ証明書情報(ID、署名、鍵)を組込むことでご利用いただけます。
サービスの詳細については、以下サイトをご覧ください。
https://www.iijglobal.co.jp/service/special/iot-trust01.html- 特許第6340107/6480528/6340120号、米国特許PATENT NO. 11128477
- Excelfore eSyncソリューションについて
- 「eSyncソリューション」は、車載デバイスとのセキュアなデータ送受信のためのクラウドプラットフォームです。クラウドを介してソフトウェアとファームウェアを更新するだけでなく、デバイスからOBD(故障診断装置)等の診断データを受信することができます。各種クラウドサービス、オンプレミスに対応しています。
企業情報
- IIJグローバルソリューションズについて
- IIJグローバルソリューションズは、企業向けのトータルネットワークアウトソーシング、SASEをはじめとしたグローバルなネットワークセキュリティサービス、安全で高品質なITインフラ環境を備えたデジタルワークプレイスを提供しています。
- 社 名:株式会社IIJグローバルソリューションズ
- 本 社:〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム
- 代 表 者:代表取締役社長 井上 喜延
- 設 立:2010年9月
- 事業内容:国内外におけるクラウド、ネットワークおよびICTソリューションの提供
- Excelforeについて
- Excelforeはクラウドと車載ネットワークミドルウェアを提供し、車両管理インフラストラクチャ構築に貢献しています。製品群としては産業/車載イーサネットAVB TSNスタック、車載診断OTAクラウドソリューションeSync™などがあります。
- 社 名:Excelfore
- 本 社:39650 Liberty Street, Fremont, California 94538, USA
- 代 表 者:Shrinath Acharya
- 設 立:Aug 8, 2008
- 事業内容:車載診断の機械学習の機能を備えたOTA eSync™, ネットワークミドルウェアの提供
お問い合わせ先
報道関係お問い合わせ先
- IIJグループ 広報
- 増田、荒井
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TEL03-5205-6310
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FAX03-5205-6377
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E-mail
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URL
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- Excelfore Japan
- 城間
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E-mail
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URL
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サービスに関するお問い合わせ先
- 株式会社IIJグローバルソリューションズ
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E-mail
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URL
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- Excelfore Japan 株式会社
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E-mail
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- 本プレスリリースに記載されている社名、サービス名などは、各社の商標あるいは登録商標です。