• IIJ GIO Power-iサービス
  • SmartWAN

株式会社ミヤタサイクル様

IBM iの基幹業務システムとオープン系システムを一括してクラウド化
全サーバシステム及びWANの移行を短期間で実現

プロジェクト概要

株式会社ミヤタサイクル様

日本で最も歴史ある自転車メーカとして知られるミヤタサイクル。同社では、分社化および資本関係の変化に伴い、IBMのSystem i(以下、IBM i)で運用する基幹業務システムを中心とした各種システムを早急に移行する必要に迫られていた。こうした状況のもと同社は、IIJグローバルソリューションズ(以下、IIJグローバル)が提供する「IIJ GIO Power-iサービス」を軸にした提案を採用。IBM i及び全サーバシステムを一括してクラウド化し、併せて全拠点のWANを更新。ワンストップでの提供を受けることで、初期投資を抑えながら、運用の手間がかからず柔軟な対応が可能な環境を構築し、3ヵ月という短い期間での移行を実現した。

課題

  • 分社化と資本関係の変化に伴い、基幹業務システムの早急な移行が必要
  • 分社後は専任のシステム担当者が不在
  • 近い将来のシステム更新に対応できる柔軟な環境が必須

効果

  • システムの一括クラウド化及び全拠点WAN更新を3ヵ月で実施
  • 運用の手間がかからない安定したシステムが実現
  • 初期投資を抑えつつ、柔軟に構成変更が可能なクラウドシステムを構築

クライアント様情報

株式会社ミヤタサイクル

本社
神奈川県川崎市川崎区東田町11-27
設立
2010年6月1日

1890年(明治23年)創業。以来、安全と高品質にこだわり続けてきた日本で最も歴史ある自転車メーカのひとつ。2010年に宮田工業から分社化し、現在は台湾の自転車メーカ「メリダ」の国内での独占販売権を有し、マウンテンバイクやロードバイクなどスポーツバイクの分野を中心にビジネスを展開している。

www.miyatabike.com

導入前の課題

分社化に伴い基幹システムを移行する必要が発生
近い将来のオープン化も視野に

ミヤタサイクルは日本で最も歴史ある自転車メーカであり、1981年には自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」で日本メーカとして初めて区間優勝を果たしたことでも知られている。現在は台湾の自転車メーカで、マウンテンバイクやロードバイクなど、スポーツバイクで有名な「メリダ」の日本での独占販売権を有しており、レースシーンにおいては、2012年にマウンテンバイクのミヤタ・メリダバイキングチームを発足。ロードではイタリア唯一のUCIワールドチーム「ランプレ・メリダ」がリオデジャネイロ五輪の男子ロードレース日本代表に選出された新城幸也選手と契約するなど高い注目を集めており、国内トップクラスの選手が世界を舞台に活躍中だ。

島元 洋司 氏

社長室
経営管理グループ
グループ長 島元 洋司 氏

さて同社は2010年に宮田工業から分社化したが、モリタホールディングスの連結子会社であったため、基幹業務システムについては継続利用してきた。しかし2014年3月にメリダが同社の株式の45%を取得したことで、モリタHDの連結子会社から離れることになり、早急に基幹システムを移行する必要に迫られた。 この基幹業務システムはIBM i上で動いていたのだが、かなり以前にスクラッチ開発されたもので、他のオープン系サーバと連携して動作する構成となっていたのだが、運用や業務対応などの面に問題があった。また分社後は専任のシステム担当者がおらず、以前のシステム担当者に依頼していたが、親会社が別グループとなった以上はいつまでも続けられるものではない。当時の状況について社長室 経営管理グループ グループ長の島元洋司氏は「全システムを移行して使い続けるにしても、システムについてわかる人間がいないため、誰が運用するのかという問題があります。運用に手間がかからず、安定して利用できる環境を短期間で導入できるとなると、全システムのクラウド化の採用はある意味必然でした」と説明する。

選定の決め手

他システムやWANまで含めてワンストップで更新
迅速かつきめ細かな対応も評価

ミヤタサイクルでは、2014年8月より本格的な検討を開始。要件としては、IBM iに加えて他のオープン系システムもクラウド化し、同時に全拠点のWANも更改する…などを盛り込んだ。これをもとに各社から出された提案を吟味し、2015年1月、IBM iをクラウド型サービスとして提供する「IIJ GIO Power-iサービス」を軸に据えたウイングとIIJグローバルの共同提案を採用した。両社の提案について、営業企画部 営業企画グループ グループ長の鳴島宏之氏は次のように評価する。

鳴島 宏之 氏

営業企画部
営業企画グループ
グループ長 鳴島 宏之 氏

「『IIJ GIO』は、IBM iだけでなくオープン系システムまで含めて統合、クラウド化できる点が魅力ですが、両社の提案はこうしたメリットを活かし、ネットワークまで含めてそれぞれのスペシャリストにワンストップで一任できるというものでした。また、クラウド事業者が提供するサービスなだけに、構築や運用の面でも高い信頼感がありましたね。予算的にも満足のいくもので、同じことをオンプレミスでやろうとしたら、コストが一桁違っていたでしょうし、クラウドほどの柔軟性は望めなかったでしょう」 また、営業企画部 MANAGING DIRECTORの福田三朗氏は「システムの専門知識を持たない私たちに対し、ウイングはきめ細かなコンサルティングを通じて要望を吸い上げ、提案に反映。その後もIIJグローバルと一体になってトータルに支援してくれました。限られた時間の中で当初のスケジュール通りにシステムが移行できたのは、両社のおかげだと思います」と当時を振り返る。
かくして2015年4月、同社はシステムの移行を完了した。

導入後の効果

初期費用を抑えつつ運用の手間がかからない柔軟なシステムを実現

「IIJ GIO Power-iサービス」の導入により、ミヤタサイクルは新たな環境へと移行。基幹業務システム他がクラウド化されたことで、運用の手間は大きく減った。また、IIJグローバルのデータセンターという安心・安全な環境下で運用されるようになったため、災害など万一の際の備えにもなっている。

福田 三朗 氏

営業企画部
MANAGING DIRECTOR
福田 三朗 氏

「当社がこうしたクラウドサービスを使うのは初めてですが、運用面で手を煩わされることがなくなったのは有り難いですね。レスポンスもまったく問題なく、安定稼働しています。ユーザもシステムがクラウド化されたことに気づいていないでしょう。おかげさまで初期費用も安く抑えることができました」(鳴島氏) 更には柔軟な環境が実現したことで、将来のシステム更新への準備も整った。仮に新たなシステムへ移行することになった場合でも、オンプレミスと違いインフラ(ハードウェア)をリプレースする必要がないため、プラットフォーム(OS)とアプリケーション環境を変更するだけで済む。リソースの変更も容易であり、無駄なシステム投資を避けつつ、将来を含めて投資の最適化が可能となった。 今後、同社では基幹システムの更新に向けて本格的な検討を進める予定だ。 「これに限らず、ウイングとIIJグローバルには業務の改善やビジネスの促進につながる“攻めのご提案”をいただければと思います」と福田氏は期待を込めて語ってくれた。

構成全体図
  • 本記事は2016年6月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • 会社名及びサービス名などは、各社の登録商標または商標です。