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JA三井リース株式会社様

海外拠点との円滑なコミュニケーションを実現すべく
グローバル規模でネットワーク環境を整備

プロジェクト概要

JA三井リース株式会社様

日本を代表するリース会社のひとつであるJA三井リースでは、中期経営計画の一環としてグローバルビジネスの強化に取り組む中、海外拠点とのコミュニケーションや情報連携に課題を抱えていた。そこで同社は、国内外の各拠点を結び、ビデオ会議やVDIなどを円滑に利用できる安定したネットワークの構築を目指し、IIJグローバルソリューションズ(以下、IIJグローバル)の提案を採用。ネットワーク環境が整備されたことで、安定したビデオ会議が実現し、海外拠点とのコミュニケーションが活発化。また、VDIの利用で社内イントラの閲覧やファイルの共有が容易になり、国境を越えた情報連携が可能に。さらにコスト削減やガバナンス強化も実現している。

課題

  • 国際電話やメールに限定された海外拠点とのコミュニケーション
  • 海外拠点から本社サーバへのアクセスが容易でなく、 情報連携が不足
  • 海外拠点におけるIT環境構築を現地主導としていたためブラックボックス化

効果

  • 安定したビデオ会議が実現しコミュニケーションが活発化、IP電話の展開で社内の国際電話が不要になりコストも削減
  • VDIの利用で社内イントラの閲覧やファイルの共有が可能となり、スピーディな情報連携が進む
  • 海外拠点毎のIT課題が見える化し、ガバナンスの強化に繋がる

クライアント様情報

JA三井リース株式会社

本社
東京都中央区銀座8-13-1
設立
2008年4月1日

「JA系」と「商社系」という2つの特性を活かし、さまざまな高付加価値サービス・ソリューションを提供。日本中に営業拠点網を展開しており、顧客の企業活動をきめ細かくサポートしている。さらには、半導体/ICT/機械分野など、強みや知見のある分野を基軸として、米国や東南アジアを中心としたグローバルビジネス展開に取り組んでいる。

www.jamitsuilease.co.jp

導入前の課題

グローバルビジネスの強化を目指すため
海外拠点とのコミュニケーションや情報連携の整備が必要となる

JA系と商社系、2つの特性を併せ持つ個性豊かなリース会社として、金融・物流ネットワーク、業種・業界に精通した専門力等を活かした高付加価値サービス・ソリューションを提供しているJA三井リース。近年、同社は中期経営計画の一環として、北米や東南アジアを中心に、半導体/ICT/機械分野など、国内専門部の知見やパートナーとのアライアンス等を活用した専門性の高いグローバルビジネスの推進に取り組んでいるが、その際に課題として浮上してきたのが海外拠点とのコミュニケーションだ。

橘川 文男 氏

システムイノベーション部
部長 橘川 文男 氏

この点についてシステムイノベーション部 部長の橘川文男氏は「かつての主なコミュニケーション手段は国際電話やメールでしたが、伝えられる情報に限界があり、それが業務の停滞や意思決定の遅れを生んでいたのです。一時はWeb会議を利用したこともありましたが、頻繁に途切れたり、遅延が発生したりと実用に耐えるものではなく、次第に使われなくなってしまいました」と語る。 加えて、国内外の情報連携の不足という悩みもあった。一部の海外拠点を除いて本社のイントラネットやファイルサーバへアクセスすることは不可能な状態であったため、結果として両者の間に大きなタイムラグが生じていたのである。
さらには、海外拠点におけるIT環境構築は現地主導としていたため、ブラックボックス化。本社側からは現地の状況がタイムリーに見えづらくなっていた。

同社はこうした課題を解決するため、2015年より「海外拠点とのコミュニケーション円滑化」プロジェクトを開始した。 「円滑なコミュニケーションを実現するためには、国内で利用していたビデオ会議やVDIの仕組みをグローバル規模で利用できる、安定したネットワークの構築が必要と考えました」(橘川氏)

選定の決め手

品質とコストのバランス、現地での手厚いサポートを評価

JA三井リースは、複数のキャリア/ベンダーに提案を依頼。ネットワーク構成、コスト、保守・サポート、海外での実績といった観点から比較・検討した。その際、同社が特にこだわったのはビデオ会議の品質で、連続2時間以上の会議でも問題なく使用できる品質を求めたという。選定の経緯についてシステムイノベーション部システム推進室室長の山﨑宏彦氏は「IIJグローバルを除く各社は、いずれも専用線を使用する提案でした。これですと、回線の品質は良いものの、ランニングコストがかなりかさんでしまいます。一方、IIJグローバルからの提案はコストと品質のバランスを考慮し、スモールスタートかつ合理的なコストパフォーマンスで実現できる構成でした。具体的には、IPSec通信を施しセキュリティ面を担保。必要最低限の品質を確保しながらIP-VPNを使用したもので、これなら安全性も損なわず、専用線のコストに比べ低価格で品質とセキュリティを確保できます。そのバランスの良さを評価し、採用の第一候補としました」と説明する。 これを受けてIIJグローバルでは、回線の導入だけに留まることなく現地法人やパートナーを活用して海外拠点の詳細な調査を行った上で、現地の事情や社員の利便性にも配慮しつつ、機器の設置場所など要件の細かい部分を詰めていった。
「最終的にいただいた提案はグローバルネットワーク構築だけでは無くオフィス内ネットワークの構築とその後のサポートまで含めたトータルに面倒を見てくれるという魅力的なものでしたので、発注先として位置づけ、詳細内容を社内審議機関へ申請、許可を得ました」(山﨑氏)
こうして2016年9月より構築に向けた手配が始まったが、IIJグローバルでは各国のユーザとIIJグループの現地エンジニアがあらかじめ顔を合わせておくことで、実際の作業時にコミュニケーションをスムーズに行えるよう工夫。また、検証環境を構築しテストを重ねることで、想定されるトラブルを未然に防止するとともに、国内ネットワークやシステムを管理するベンダー各社とも連携体制を確立。課題が発生したとしても迅速な対応がとれるようにした。

導入後の効果

拠点間のコミュニケーションが活発化
国境を越えた情報連携が可能に

JA三井リースでは、海外の各拠点で順次ネットワークを構築。海外拠点すべてをカバーする新たな通信基盤が誕生した。その効果について山﨑氏は「ネットワーク環境が整備されたことで、安定したビデオ会議が実現し、国内と海外拠点とのコミュニケーションが活発化しました。以前は音声のみの会議しかできませんでしたが、今では相手の表情が見えるようになり、意思の疎通がとてもスムーズになりました。また、本社と海外拠点間でIP電話が利用できるようになったことで、電話の『内線化』が実現し、コストは大幅に削減されました。従量課金の国際電話と違って、利用する際にコストを気にしなくていいのはうれしいですね」(山﨑氏)

山﨑 宏彦 氏

システムイノベーション部
システム推進室
室長 山﨑 宏彦 氏

もう一つの課題であった情報連携についても、VDIの利用により社内イントラの閲覧やファイルの共有が容易になったことで、大きく進展している。 そして、ネットワーク構築にまつわる調査や作業を通じ、海外拠点のシステム環境や課題が見え始めてきた。コミュニケーションの円滑化が可能な環境が整ったことでガバナンスの更なる強化が可能になった点は非常に大きい。
「IIJグローバルは海外の現地スタッフとも連携することで、通信技術の提供だけでなく、システムのコンサルタントとして現場の課題や要望を見つける力を持っています。今後もより現地メンバーと近づいて、日本本社との連携に協力してほしいですね」(橘川氏)
今後、同社では海外拠点におけるIT環境の整備を進めていく予定で、すでに米国ではIIJAmericaを起用し、IIJグローバルと協力しながら、米国内ネットワーク環境の整備やシステムをクラウドへと移行するプロジェクトが進行中だ。

最後に橘川氏は「IIJグローバルは多くの商材やサービスを持っています。これらをコンサルティングを通じ、最適なソリューションに仕立ててくれるのが強みだと思いますので、今後も業務改善や生産性向上につながる提案をお願いしたい」と期待を語った。

ネットワーク構成図
  • 本記事は2017年5月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • 会社名及びサービス名などは、各社の登録商標または商標です。