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三菱マテリアル株式会社様

ITガバナンスの実現に向けてグローバルITネットワークを強化し
意思決定のスピードアップに寄与

プロジェクト概要

三菱マテリアル株式会社様

総合素材メーカとして世界中でビジネスを展開する三菱マテリアル。同社のグローバルITネットワークは、海外事業の拡大とともにトラフィックが急増し帯域不足が目立つようになっていた。そこで同社は、今後の事業拡大を視野に入れたITインフラの再構築を検討。ベンダー選定時は、海外におけるネットワーク構築経験が豊富なこと、現在の課題と将来を見据えたユーザ目線のプランニングであることを評価し、IIJグローバルソリューションズ(以下、IIJグローバル)の提案を採用。同社に適したインフラで、帯域不足が解消されたことはもちろんのこと、当初スコープに含まれていなかったOffice 365の導入も併せて完了し、今後さらなる海外事業の発展に注力していく。

課題

  • 業務拡大によるグローバルITネットワークの帯域不足とコスト増に悩んでいた
  • 今後のグローバル展開に向けて拡張性を視野に入れた構成を検討していた
  • 移行時に発生する海外ベンダーのコントロールに不安を感じていた

効果

  • 帯域が安定したことで、海外との密な業務連携や素早い意思決定が実現した
  • ヘルプデスクによるプロアクティブな運用で社内工数が削減できた
  • グローバルビジネス強化において必須となるITガバナンスの土台ができた

クライアント様情報

三菱マテリアル株式会社

本社
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号
創業
1871年

三菱グループのルーツである九十九商会の鉱山業への進出を起源とする総合素材メーカ。150年近くにわたって日本の成長を支え、時代とともに変化する社会の要請に応えつつ、経営の多角化・事業構造の転換を図りながら成長をとげてきた。現在も新たな素材、製品、ソリューションを創造し、持続的な成長を目指している。

https://www.mmc.co.jp/

導入前の課題

グローバルITネットワークで帯域が不足し業務に支障が生じる

「人と社会と地球のために」新たなマテリアルを創造し、循環型社会への貢献を目指す。それが三菱マテリアルの掲げるビジョンだ。近年、注目すべき社会のメガトレンドとして、IoTやAIによる超高度情報社会の到来、そして自動車の電動化、リサイクルニーズの拡大など環境マインドの高まりなどが挙げられる。こうした変化に対し、銅加工、電子材料、アルミ、加工などプロダクト型事業では新機能の部材やソリューションを創造して提供、セメント、金属などのプロセス型事業では資源循環型の新たな価値創造を実現することにより、ステークホルダーの期待に応え、持続的な成長を目指している。

端山 敦久 氏

三菱マテリアル株式会社
技術統括本部
システム企画部
部長 端山 敦久 氏

同社では、グローバルITネットワークやセキュリティ対策について、日本の本社が一元的にサービスを提供している。しかし近年は海外事業の拡大やトラフィックの急増により、既存インフラでは帯域が不足。メールが遅延するなど業務にも支障が出始めていた。当時について技術統括本部 システム企画部 部長の端山敦久氏は「海外拠点とのやり取りが増えている中、海外子会社からの通信に対する改善要求も多く、インフラの見直しが急務になっていました。そうした状況のもと、将来的にシステム統合も視野に入れていたことから、まずITインフラを根本的に見直すことにしました」と語る。 もともと同社では中期経営戦略における課題の一つとして、次期グローバルIT通信基盤の整備が挙げられていたこともあり、新たなグローバルITネットワークの検討を開始した。

選定の決め手

海外案件の豊富な知見と将来を見据えた柔軟な提案を評価し選定

三菱マテリアルは新たなグローバルITネットワークを構築するにあたり、海外拠点のベンダーコントロールに不安を感じていた。また単なるネットワークの提案ではなく、現状の課題から将来のあるべき姿につながる同社に適した提案を求めていた。選定について三菱マテリアルのITインフラの運用を担うマテリアルビジネスサポートのシステム業務部 大友隆弘氏は「グローバル対応が可能なベンダー数社から絞り込み提案を比較しました。各社のネットワーク構成にはそれほどの差はありませんでしたが、IIJグローバルの提案は、各拠点の最適な構成を自分達で決定できるユーザ目線な点が優れていました」と語る。

大橋 由信 氏

株式会社マテリアルビジネスサポート
システム業務部
部長補佐 大橋 由信 氏

提案前に1年以上かけて関係部署からのヒアリングを実施していたIIJグローバルは、同社の業務を深く理解した上で、課題に則した提案を行っている。 「現状だけでなく、将来を見据えさまざまな要求に応えられる柔軟な提案をしてくれました。また、プロジェクトメンバーの方々は技術力を備えている上にリード力もあり、人材の層の厚さも感じました」(大友氏) そこで同社はIIJグローバルを導入パートナーに選定。プロジェクトスタート時からスケジュールどおり完遂した。マテリアルビジネスサポート システム業務部の文珠広樹氏は次のように構築プロジェクトを振り返る。 「一番苦労した点は、海外拠点とのコミュニケーションでした。特に、約束や時間に対する考え方が日本とは大きく異なるためやり取りが大変でしたが、そうした文化的な違いも含めて、IIJグローバルは英語で現地ベンダーと直接調整してくれました。元々の計画にはなかったOffice 365の導入を難なく展開できたのも、IIJグローバルの高い適応力と技術力のおかげです」

導入後の効果

意思決定のスピードアップ、運用管理の負荷軽減が実現
今後は海外に向けた情報発信を目指す

三菱マテリアルが新たなグローバルITネットワークを構築したことによって、主な拠点での帯域不足の問題は解消した。マテリアルビジネスサポートのシステム業務部 部長補佐 大橋由信氏は「メールはもちろんですが、Office 365のチャットツールTeamsなども十分活用できるようになりました。かつては朝などアクセスが集中する時間帯にメールが取得しにくかったことを考えると雲泥の差です。海外拠点からも回線が遅いなどの不満を聞かなくなりました。新たなネットワークにより、コミュニケーションが迅速かつ密になり、素早い意思決定が実現していると思います」とその効果を強調する。

大友 隆弘 氏

株式会社マテリアルビジネスサポート
システム業務部
大友 隆弘 氏

また、運用管理の面でも大きなメリットが生まれているという。 「以前はシステムの運用は内製化するための資料が整っていなく、ベンダーに調査を依頼することが多かったが、新たなネットワークではシステム全体と、そのリソースの状況などを視覚的に把握できるようになりました。また、IIJグローバルがわかりやすい手順書を作成してくれたおかげで、私たち自身でも対処できるようになり、対応のスピードも上がっています。さらに、障害時にはヘルプデスクが夜間でも、能動的に現地と英語ですぐに連絡をとって原因特定までしてくれるので、我々の負荷が軽減されました」(文珠氏)

文珠 広樹 氏

株式会社マテリアルビジネスサポート
システム業務部
文珠 広樹 氏

現状と今後についてだが、日本のデータセンターおよびASEANリージョンと中国リージョンの構築が完了し、最初のプロジェクトは一区切りがついた。この後、次のプロジェクトがスタートし、欧州、北米、南米などリージョンを順次拡大していく計画だ。また、Office 365もグローバル展開を完了する予定となっている。端山氏は将来について「これまで当社はグローバル企業でありながら情報配信のほとんどが日本向けに限られていました。しかし今後は、英語をはじめ中国語など、主要な言語での情報発信を積極的に行っていく方針です。このたび構築したグローバルITネットワークは、そのための重要なインフラとしての役割を担うものと位置付けています。更に世の中の流れとしてシステムやアプリケーションはクラウド化されていくため、堅牢なセキュリティやITガバナンスについても強化していきたい。IIJグローバルは、我々の目線に立ち、スピード感をもってサービスを提供してくれました。そのサポート体制には十分満足していますので、これをしっかりと維持し、今後の当社の取り組みを支えてほしいと思います」と展望を語ってくれた。

構成図
  • 本記事は2019年9月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • 会社名及びサービス名などは、各社の登録商標または商標です。