• IIJセキュアLANソリューションwith IIJ Omnibus

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス様

ブラックボックス化していたネットワークを一新
トラブルにも容易に対処できる、セキュアでシンプルなLAN環境を実現

プロジェクト概要

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス様

北海道の地域密着総合ヘルスケア企業として日々『しんか(進化、深化、真価)』を追求するほくやく・竹山ホールディングス(以下、ほくたけ)。同社は企業合併に伴いLAN/WAN環境の増設が重なったことからネットワークがブラックボックス化。ログの活用ができる環境でないこともあり、遅延などのトラブル時の原因究明が困難だった。そこで同社は課題解決とともに将来を見据えたネットワークの刷新を決断。IIJグローバルソリューションズ(以下、IIJグローバル)にワークショップの開催を依頼した。ここで描かれたロードマップをもとに、同社はIIJグローバルの提供する「IIJセキュアLANソリューションwith IIJ Omnibus」を採用。約300台のスイッチ/APを導入・入替し、セキュアでシンプルなLAN環境を整備した。これにより、ネットワークが可視化され、トラブルにも容易に対処できるようになった。

課題

  • 合併に伴いLAN/WAN環境の増設が繰り返されたことで、ネットワークがブラックボックス化
  • 遅延などのトラブル時にも、ログの活用がしにくい環境のため原因究明が困難
  • 時代の変化により、ファイアウォールの内側だけを守る境界セキュリティ対策では不安

効果

  • ネットワーク環境を刷新し、セキュアでシンプルなLAN環境が実現
  • ネットワークが可視化され、トラブル対処も容易になり運用負荷も削減
  • 内と外を分けないゼロトラスト実現に向けた基盤が整う

クライアント様情報

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス

本社
北海道札幌市中央区北6条西16-1-5
創業
2006年9月

株式会社ほくやく及び株式会社竹山が、経営統合を目的に持株会社として設立。「北海道に根ざした総合ヘルスケア企業グループとして健康を願う人々を支えつづけます」を企業理念とし、ヘルスケア(医療・福祉・保健)分野におけるさまざまな商品・サービスの充実をはかり、その提供を通じて地域社会の人々の健康回復や維持に貢献するほくたけ。同社は傘下に10社以上の子会社を持ち、保健・予防・診断・治療・リハビリ・介護の各分野で、地域社会の健康を支える地域包括ヘルスケア企業グループである。

https://www.hokutake.co.jp/

導入したサービス&ソリューション

導入前の課題

LAN/WAN環境の増設でネットワークがブラックボックス化
ファイアウォールの内側だけを守る境界セキュリティ対策にも不安

青山 周平 氏

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス
執行役員 経営統括本部 IT戦略室長
青山 周平 氏

「北海道に根ざした総合ヘルスケア企業グループとして健康を願う人々を支えつづけます」を企業理念とし、ヘルスケア(医療・福祉・保健)分野における様々な商品・サービスの充実をはかり、その提供を通じて地域社会の人々の健康回復や維持に貢献するほくたけ。同社は傘下に10社以上の子会社を持ち、医薬品、医療機器、介護、ICTの各分野で地域社会の健康を支える地域包括ヘルスケア企業グループである。執行役員 経営統括本部 IT戦略室長 青山周平氏は同社の特徴について「B2Bから薬局チェーン(B2C)まで、医薬に関するフルラインのビジネスを展開しています。広大な北海道をカバーするため多くの拠点があり、拠点の展開密度が他社に比べて特に高いことを強みとしています」と説明する。

さて同社はこれまで、データセンターでのホスティングを基盤に基幹系システムを構築していた。しかし、合併のたびにLAN/WAN環境が増設されたため、ネットワークがブラックボックス化。しばしば遅延が発生するようになったが、その原因究明は困難を極めたという。経営統括本部 IT戦略室次長 熊谷史典氏は「従来のネットワーク環境で行っていたのは死活監視のみで、具体的なトラフィックの内容まではわかりませんでした。トラブルの原因を調査しようにもログの取得ができていませんでしたから、対応しようがなかったのです」と振り返る。
加えて、セキュリティ面の問題も存在した。同社はこれまでファイアウォールの内側を守ることを念頭に各種対策を講じてきた。たとえば、情報漏えいを防ぐためにVDIを導入するなどである。しかし近年のネットワークは、オープンソースの活用やモバイルへの対応が求められるようになっており、内側を守る対策だけでは十分といえなくなってきたのである。

熊谷 史典 氏

株式会社ほくやく・竹山ホールディングス
経営統括本部 IT戦略室 次長
熊谷 史典 氏

そこで同社は、サーバー更新の時期に合わせネットワークの刷新を決断。社内外を問わず一切を信頼しない“ゼロトラスト”のアプローチのもと、今後を見据えた新たなネットワークの構築を検討することにした。その流れの中で、2019年11月、以前から取引のあったIIJグローバルにワークショップの開催を依頼したのである。
「このワークショップでは、将来の基幹系システムのクラウド移行を見据えてネットワーク全体を刷新。LANから着手し、WAN、セキュリティ強化と進めていくロードマップを描きました。最初に見直すLANについては、管理をクラウド化すること、モバイルデバイス接続、LAN内のセキュリティ強化を要件として検討しました」(熊谷氏)

選定の決め手

運用面の負荷を大きく削減するクラウドコントローラー
「Aruba Central」を高く評価

ほくたけは、2019年12月より具体的なソリューションの選定を開始。同年4月、IIJグローバルの提供するクラウド型LANソリューション「IIJセキュアLANソリューションwith IIJ Omnibus」の採用を決定した。その決め手について熊谷氏は「他のベンダーの提案も含めて3つのソリューションを比較・検討しましたが、その際に選定のポイントとしたのがコスト、運用負荷の軽減、無線LANの入れ替えへの対応でした。この点、IIJグローバルはニュートラルなかたちで課題と要件をとりまとめ、ワークショップを通じて納得できる解決策を作成してくれました」と語る。

この選定にあたって重要な役割を果たしたのが、ほくたけグループでシステム部門の役割を担うアドウイックである。アドウイック 技術部 システム企画 課長の高木亮一氏は「他社のソリューションは機能単位でそれぞれにコンソールが必要なため、運用する際には個々に立ち上げて確認しなければならず、余計な手間がかかります。また、操作も個別に覚える必要があるのも難点です。一方、『IIJセキュアLANソリューションwith IIJOmnibus』ではAruba製品が採用されていますが、その管理機能を提供するクラウドコントローラー『Aruba Central』は、クラウド環境から有線/無線LAN環境を一括で設定・監視でき、コンソールも一つで完結します。これなら運用面の負荷を大きく減らすことが可能です」とその優位性を評価する。

高木 亮一 氏

株式会社アドウイック
技術部 システム企画 課長
高木 亮一 氏

「IIJセキュアLANソリューション with IIJOmnibus」の導入プロジェクトは、2020年8月からスタート。同年12月にカットオーバーした。この際、これまでグループ各社とのネットワークアクセスはルータを介していたが、今回のLANの見直しを機に、可能な限りL3スイッチへ切り替えている。導入工程についてアドウイック 技術部 システム企画の高桑雄大氏は「既存のネットワークは導入時期も異なるためドキュメントがないことも多く、手探り状態で進めました。加えてコロナ禍も重なったことから大変な作業になりましたが、豊富な経験を持つIIJグローバルの支援もあり、なんとかスケジュール通りに完了しました」と振り返る。

導入後の効果

セキュアでシンプルなLAN環境を実現
ネットワークが可視化されトラブルへの容易な対処が可能に

ほくたけは今回の導入により、スイッチと無線アクセスポイントを合わせて約300台を導入・入替。SDN(Software Defined Networking)ベースで、クラウドコントローラーからの多くの機器を集中管理できる、セキュアでシンプルなLAN環境を実現した。これにより、ネットワークの可視化が実現し、トラブルに至る前の予兆段階での対処が可能になった。

高桑 雄大 氏

株式会社アドウイック
技術部 システム企画担当
高桑 雄大 氏

また確実なログ収集の仕組みも実現した。日々上がってくる膨大な量のログは、AI Insightが自動的で解析。トラブルが起きたときも原因の特定や推奨される設定を提示してくれるため、容易に対処することが可能になり、運用負荷は大幅に削減されている。 「各拠点にAruba ユーザー・エクスペリエンス・インサイト(UXI)をあらかじめ配置してありますので、トラブル時も、現地に赴くことなく状況を把握できるようになりました」(高木氏)
また、無線LANの管理においては、VisualRF機能を使用することで、無線アクセスポイントやクライアント端末の位置、電波状況をヒートマップとして可視化することが可能になった。「電波強度を実測できるので、どの場所に問題が発生しそうか、あらかじめ把握する事ができます。これによりオフィスレイアウトの変更なども容易にできるようになりました」(熊谷氏)

今後について同社は、セキュリティ対策の見直しを検討している。クラウドへの本格移行、SaaSの利用拡大に合わせ、クライアントもVDIから通常のノートPCへ変更する予定だが、そうなると従来の境界型中心から、内と外を分けないゼロトラストの考え方に対策を改める必要がある。そこで検討されているのが、Arubaの統合認証基盤「ClearPass」を活用したロールベース制御の導入だ。 「『ClearPass』を使えば、『誰が』『どの端末で』『いつ』『どこから』『どのように』接続してきたかという条件のもと、アクセス権が動的に決定されます。これなら、同一のユーザーにも個別のアクセス権を設定できるので、利便性を損なわずにセキュアかつ適切な管理ができるようになります。ネットワーク内にはまだ可視化できていない部分も残っていますので、そこを解消するととともに、こうした施策へ着実に取り組んでいきたいと思います」(熊谷氏)

構成図
  • 本記事は2022年1月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • 会社名及びサービス名などは、各社の登録商標または商標です。