• Global Security Cloud(Cato Cloud)

TOWA株式会社様

中国での新工場設立を機にCato Cloudを導入
大幅なコスト削減とトラフィックの可視化が実現

プロジェクト概要

TOWA株式会社様

半導体モールディング装置・金型の分野では世界のトップランナーといえるTOWA。同社は、国内外のネットワーク環境におけるさまざまな課題を解決するため、中国の新工場設立を機に、WAN環境の見直しを決断。IIJグローバルソリューションズ(以下、IIJグローバル)の提案を採用し、海外WAN(アジア地域)に「Global Security Cloud(Cato Cloud)」の導入を決定した。これにより、年間数百万円のコスト削減が見込まれるとともに、トラフィックが可視化され、細かい制御が可能に。快適なネットワーク環境を実現している。今後は、SASEソリューションとしての活用を進め、ガバナンスの強化に取り組む方針だ。

課題

  • 既存の国際IP-VPNは、低帯域でありながら高額だった
  • トラフィックの中身がブラックボックス化しており、自分たちでは調査できなかった
  • 中国での新工場設立に合わせ、早急に新たなWANを導入する必要があった

効果

  • 対象となる拠点すべてに展開した場合、年間数百万円のコストが削減される見込み
  • トラフィックが可視化され、きめ細かな制御が可能になった
  • 短期で導入でき、中国でも安心して利用可能

クライアント様情報

TOWA株式会社

本社
京都府京都市南区上鳥羽上調子町5
創業
1979年4月

1979年、東和精密工業株式会社として設立。以来、常に技術革新が求められる半導体分野で、世界のトップを走り続ける超精密金型技術を核に、最先端の技術を開発。業界の発展に大きく貢献してきた。現在は、業界にさらなるデファクトスタンダードを打ち立てるべく、コア・コンピタンスたる「金型関連技術」、「モノづくり」への原点に立ち戻って、さらなる成長を目指している。

https://www.towajapan.co.jp/

導入したサービス&ソリューション

導入前の課題

国内外のネットワーク環境に課題
海外工場の設立を機にWANを全面見直し

1979年、「超精密金型」および「半導体製造装置」の製造・販売を主な事業目的に設立されたTOWA。以来、同社は「マルチプランジャシステム」をはじめとした多くの独自技術を開発することで、世界的なモノづくり企業として高い評価を獲得してきた。中でも、樹脂により半導体チップを保護する工程を担う半導体モールディング装置・金型の分野では世界No.1のメーカーであり、売上げの80%以上を海外が占めている。現在は「京都発→世界へ」のかけ声のもと、世界の頂点に向けて、さらなる進化を続けている。 さて、同社は以前からWeb会議ツールを見直し、Microsoft Teams(以下、Teams)への切り替えを進めていた。その最中に起きたコロナ禍の影響で多くの部署からTeams利用要望が殺到、全社規模でのリモートワーク対応が急務となり、トラフィック急増も相まってネットワークそのものを見直さなければならない事態へと陥った。

田中 康志 氏

情報システム部
リーダー
田中 康志 氏

また、この時期に同社は中国・南通工場の(新工場竣工)計画を進めており、新規にWANを導入することになった。しかし、それまで海外拠点で利用していた国際IP-VPNは低帯域でありながら高コストという課題を抱えていた。情報システム部の田中康志氏は「ネットワークの遅さに現場のユーザからたびたびクレームが寄せられていたのですが、中身がブラックボックス化していたため、原因を調査しようにも私たちでは手を出せず、ベンダーに依頼せざるを得ませんでした。増速にも調査にも多額の費用が発生するため、頭を抱えていました」と語る。 こうした一連の動きを受けて、同社は自らが抱えるネットワーク環境の課題を認識。これを解決するため、国内外のネットワークを全面的に見直すべく、ベンダー各社に提案を求めることにした。

選定の決め手

コストが安く、中国でも安心して利用可能
短期間で導入できるCato Cloudを採用

TOWAによる新たなWANの選定は、2020年夏にスタート。複数のベンダーから見積を取り比較・検討。最終的に国内は「IIJ Omnibus」、海外(アジア地域)は「Global Security Cloud(Cato Cloud)」を導入するという IIJグローバルの提案が採用された。

工場内

この選定においてCato Cloudが評価されたポイントとしては、まず圧倒的なコストパフォーマンスが挙げられる。現地のインターネット回線費用によっても変わってくるため、単純な比較は難しいものの、サービスの範囲の中ではCato Cloudは圧倒的に安価であったという。さらに情報システム部の佐久間陽氏は、「加えて、Cato Cloudは一部地域を除き、アジア圏であれば25Mbpsまで自由に利用できるという点もメリットです。それに、認証の取得など中国で確実に使えるサービスであるという安心感も大きかったですね。柔軟にネットワークを定義できるSD-WANというのも魅力でした」と振り返る。 また、Cato Cloudが短期間で導入可能という点も評価された。

「南通工場の竣工が迫る中、このスピード感は重要でした。別のベンダーの提案では、4~5ヵ月はかかるとのことでしたから、Cato Cloudとの差は倍ぐらい違いましたし、実際のリードタイムも短く済みました」(田中氏) 導入の作業については、現地の担当者とすべてオンラインでやり取りしながら行われた。IIJグローバルのサポートも受けたことで、かなりスムーズに導入できたという。

導入後の効果

年間数百万円のコスト削減の見込み
トラフィックが可視化され、細かい制御も可能に

佐久間 陽 氏

情報システム部
チーフ
佐久間 陽 氏

TOWAは、2021年3月にIIJグローバルの提案の採用を決定。7月に南通工場の竣工に合わせてサービスインした。その後、11月に中国の別の新会社への導入を実施し、2022年3月にはマレーシアの既存拠点で既存のIP-VPNからCato Cloudへの切り替えを完了させている。 Cato Cloudの導入効果について、佐久間氏は次のように語る。
「運用管理にかかるコストについては、対象となる拠点すべてにCato Cloudを導入した場合の想定として、年間で数百万円の削減になる見込みです。これは2つの新拠点を含んでいないもので、中国のIP-VPNが高いことを考えると、実際はもっとメリットが大きいと考えています」
加えてトラフィックが可視化され、どの通信がどれだけトラフィックを消費しているかが把握できるようになった。

「その上で、対象のトラフィックを細かく制御することが可能になりました。例えば、大量にファイルサーバを使用している通信に制御をかけることで、他の通信経路を確保できます。さらに、各拠点の担当者に閲覧権限のついたアカウントを付与することで、現地でトラフィックの状況を確認し、対応できるようになりました。今後のネットワークの増強などにおいても、適切なタイミングで適切な投資ができるようになったことは大きいですね」(田中氏)

エントランス

今後について同社は、最終的に4ヵ国9拠点にCato Cloudを展開する予定だ。そして、Cato Cloudが強みとするSASEソリューションとしての活用を進め、ガバナンスの強化を図っていく方針だという。 「Cato Cloudは豊富な機能を備えているので、ゼロトラストに向けた取り組みを考えていく中で、選択肢の幅が広がったと感じています」(佐久間氏) 最後に、今回の導入におけるIIJグローバルの対応について田中氏は「IIJグローバルはレスポンスが速く、困りごとにも丁寧に対処いただき、私たちの期待にしっかりと応えてくれました。今後、当社はネットワークを含めたITインフラ全体の適正化やDX推進などに取り組んでいく予定ですので、引き続き提案とサポートを期待しています」と語ってくれた。

構成図
  • 本記事は2022年9月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • 会社名及びサービス名などは、各社の登録商標または商標です。