IT TREND BLOGDX時代にふさわしい国際VPNのあるべき姿は?

  • 公開日:2019年10月31日
  • 国際VPN
  • ネットワーク

2018年に海外進出している日系企業の総拠点数は75,531拠点で、前年度から3,771拠点(約5.2%)の増加となり過去最高を更新しました(外務省統計データによる)。日本の人口減少傾向に伴い、日系企業はビジネス成長のためにマーケットを求めてますます海外に進出しています。
しかし海外進出はしたものの、競争の激しいグローバルの舞台でビジネスを伸ばしていくために企業に求められているものは何でしょうか。持続可能な成長をしていくためにはこれまで以上に企業ビジョンやガバナンスを明確にし、より密度の高いコミュニケーションによる現地把握や多様性のある現場理解が求められます。それを実現するために、グローバル環境で働く従業員のためのITインフラの整備が必要となります。

ITインフラ整備を疎かにすると現地法人とのコミュニケーションが分断され、レスポンスの悪い情報共有ツールによりビジネスに支障をきたします。経営陣と現場の認識の乖離が原因で、投資したIT環境が十分に活用されず無駄になったり、より大きなリスクを抱えたりしないよう、デジタルトランスフォーメーションやグローバル全体でのOffice 365展開を実施される前に、まずは安心・快適に「つながる」ためのネットワークの基礎固めが必要となってきます。

とはいえ、安易にVPNでつながっていればいいという考えでは、IT環境も激しく変化している現状には対応できなくなっています。今回、国際VPNがどのような課題を抱えているのかをパフォーマンスとリスクの観点でお話し、最新のソリューションをご紹介します。

国際VPNのパフォーマンスはビジネス成長に直結

国際VPNのパフォーマンスはビジネス成長に直結 イメージ

世界の人口は日本の60倍です。そんなグローバルでのビジネスの進め方は日本とは全く異なっています。海外事業の成功のカギは「コミュニケーション能力の高いグローバル人材」と「現地協力会社とのパートナーシップ」といわれています。異なる文化と多様性の中で、人的なコミュニケーションとコラボレーションをどれだけ実現できるかが求められているのです。

そのためには社内で1日中定例の会議に出席して資料を作成するのではなく、どんどん外に出て外部との接点を増やす必要があります。一度の打ち合わせでどれだけ濃いコミュニケーションができるか、そのためにはジャストインタイムで必要な情報にアクセスしプレゼンテーションできることはグローバルビジネスにおいて大前提です。“社内に持ち帰り検討して2週間後に返答します”ではビジネスチャンスを逃してしまうでしょう。
もしこれが逃したくない案件の見積もりであったなら、これくらいのスピードが求められます。

  • 案件の見積もりをその場で実施

  • ネット経由で上司からの承認を獲得

  • 顧客との打ち合わせ時間内に見積り回答

そのためにはインフラが未整備で不安定な海外であっても、安定して速くデータにアクセスできるという基本がグローバルビジネスにおける最も重要な成功要因の1つと言えます。

リモートアクセスVPNは海外ビジネスの生命線

では、海外の客先等、出張中の社員はどうやってこれらのデータにアクセスするのでしょうか。昔は現地法人オフィスの共有フォルダや会計データなどが主要な接続先でした。閉じた環境で現地国内のオンプレミスに接続するのであれば、特段不自由することはなかったのではないでしょうか。しかしデータのほとんどがクラウドへ移行してきたことで2つの大きな問題が起こっています。

それはレスポンスの遅延と情報漏洩リスクです。

例えばコミュニケーションを加速させるために、世界中に日本のOffice 365とBoxを展開したとします。そうすると多くの場合、以下の流れで問題が発生していきます。

Step1:現地法人での不満発生!Office 365とBoxのレスポンスが遅い!Teamsが切れて使えない!

多くの企業では、現地法人が日本のOffice 365を利用するためにIP-VPNまたは直接インターネットを利用します。IP-VPNの場合は国際回線の帯域が細い上、日本のインターネットの出口にあるプロキシの帯域が逼迫しており遅延が生じます。直接インターネットの場合は現地国外への通信は多数のISP間を経由して日本まで来るため同じく遅延やパケットロスが生じます。国によっては国外通信の帯域が大幅に制限されているケースが多く影響はIP-VPN以上に深刻です。

Step2:不満が沈静化!?問題ないのかな?と日本側の対応の優先順位が下がる

日本の情報システム部に不満の声が届く中、回線帯域増速には数ヶ月かかる上、現地に費用を賦課することを伝えると、大抵はそれ以上話が進展しません。時間の経過と共に現地からは半ばあきらめと共に不満の声は聞こえなくなります。海外拠点の人たちは「ビジネス上必要だ」という理由で、現地の格安でリスクの高いオンラインストレージやコミュニケーションツールを多用しはじめます。その方が取引先ともやりとりしやすいのだそうです。アプリケーションに必要なインフラを整備しなかった結果です。

Step3:現地法人でマルウェア感染。正規のIDでOffice 365やBoxから情報漏洩

海外拠点がマルウェアに感染するのはこれまでの経緯から必然とも言えます。情報セキュリティ管理者が不在のまま、ビジネス上の利便性を追い求めた結果リスクに晒されるからです。攻撃者は堂々と正面から日本のデータにアクセスできます。ビジネスの生命線だったネットワークを改善しなかったため、ビジネスの危機に瀕する形になりました。

この問題は残念ながら海外進出している日本企業のほとんどに該当します。

今の時代に合わせた次世代型の解決方法とは?

今の時代に合わせた次世代型の解決方法とは? イメージ

ビジネスを前進させ、加速し、更に持続可能な状況を維持する。そのためには安心して使えるITインフラとアプリケーションが求められています。ビジネスも拡大し、時代に合わせて変革していく中、それをささえるITインフラ事情も変化しています。

国際VPNも大きな転換点にいます。日本国内のクラウド化実現により海外からアクセスできるようになりますが、そのグローバルでのクラウド事情にVPNも合わせる必要があります。例えば中国一つとってもVPNルールは独特です。クラウドReadyの国際VPN再構築がビジネスを安心して加速させる大前提となっているのです。
ではどうすべきなのでしょうか。

結論からいうと国際VPNの次のあるべき姿は「次世代型」のSD-WANに置き換わっていきます。レガシーとなってしまったこれまでの国際VPNではコスト増によるパフォーマンス改善しか方法がないからです。次世代型のSD-WANにすることで、複雑化するクラウドへの接続に対して、以下のような多くの効果をもたらします。

  • 帯域の改善

  • 迅速な展開と拡張

  • あらゆるトラフィックの可視化

  • コストの最適化

  • シンプルな運用管理

  • セキュリティとネットワークの融合

DX時代は「次世代型」SD-WANで決まり

日々デジタルトランスフォーメーションが叫ばれています。大前提となるクラウドトランスフォーメーションは着実に進んでいます。残されているのはネットワークとセキュリティのトランスフォーメーションです。次世代型のSD-WANは導入・運用・管理・拡張など様々な面でこれまでのネットワークサービスとは異なります。しかもITインフラ環境も要件も複雑化するなか、事前に利用検証することは今は珍しくありません。
まずはどのように自社にとってどんなメリットや活用方法があるのかを確認してみてください。