IT TREND BLOGワークライフバランスのとれた働きがいのある仕事を実現する方法

  • 公開日:2020年1月29日
  • 働き方改革
  • ワークライフバランス
  • リモートワーク

「ディーセント・ワーク」という言葉を知っていますか?これは「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味し、それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があること」(国際労働機関(ILO)の『ディーセント・ワーク - Decent Work - とは』より)です。
時間配分だけで家庭と仕事を両立したワークライフバランスを実現するのではなく、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)と充実したライフを皆が持てるためにはどうすればいいでしょうか。

今そこにある早期退職制度と人材不足による危機

今そこにある早期退職制度と人材不足による危機 イメージ

今の社会は早期退職制度により人員削減を実施する企業が増える一方で、企業倒産件数も増加の一途を辿り、しかもその理由は人材不足という状況です。
この根本原因は本当に働き手がいないわけではなく、働きがいのある人間らしい仕事、つまりディーセント・ワークがないためのアンマッチが発生している状態も原因の一つとして挙げられます。その原因を掘り下げてどうするべきか考えてみましょう。

近年、企業倒産の理由の上位3つは以下のとおりです(東京商工リサーチが2020年1月14日に発表した「全国企業倒産状況」より)。

(1)後継者不足
(2)従業員退職
(3)高い給与での求人難

(1)(2)については、共に人依存であったり高度なスキルが必要な場合はなかなか代替えがきかず、従業員が高齢になって退職するとその仕事を補うことができなくなり倒産につながっています。昔からある特殊なサーバの管理者や複数の言語を操るエンジニアなども後継者問題として挙がっています。
(3)については、上に示すとおり若手労働者は市場に少ないため雇えても人件費が高沸する状態です。海外からの労働者を採用しても長続きしなかったり高いスキルが必要なため一人前になるのに時間がかかるなど課題は山積みです。

その結果として、日本の労働市場には高齢者、育児や介護などライフイベントに引きずられディーセント・ワークを実現できない働き盛り世代の人、且つ、ニッチで高い専門スキルを持たない人材が余っているのが厳しい現状です。育成に時間がかかる仕事や体力的にキツイ仕事にはつけませんし、企業としては人手不足にもかかわらず仕事がないという状況が発生してしまうのです。
これを打破するためには、働き手の状況に寄り添い長くスキルを高められる環境を整備することが求められるのです。

限られた人材でのワークライフバランスの実現

人材のアンマッチに対してすぐ手を打つべきは、残された人材だけでいかに事業の成長を損なわずに従業員の「働きがい」を維持するか、です。その際に溜まった仕事をいかに捌くかの視点だけでは視野の狭い対策になり、結果として働きがいのある人間らしい仕事は実現できません。

ワークライフバランスの実現には、"ワーク"だけでなく"ライフ"にも意識を割けるかがポイントとなります。業務のシステム化による効率化も効果的ですが、特に現在の日本社会ではまだ仕事をするうえで時間がかかる子育てや家事、親の介護の負担や制約は多い状態となっています。特に働き盛りの時期における出産は女性特有の課題です。そんなライフイベントの大事な時期に毎日の往復の通勤時間分だけでも削減されるとどれだけライフスタイルが充実するでしょうか。
そんな通勤時間をゼロ、つまりリモートワークを実現するための「働き方改革」には、

(1)ストレスを感じない
(2)使いやすさと安心感
(3)同じ成果が出せる

ことが重要になります。

【ホワイトペーパー】「働き方改革に必要なコラボレーション環境」

(1)ストレスを感じない
仕事を進めることにおいて円滑にコミュニケーションをとることは大切です。しかし同じ職場にいながらならともかくリモート環境ではなかなか難しいものです。これはリモートワークにおいて一番課題と感じる点だと思います。その時に相手がすぐそばにいるような臨場感や通信のストレスが無い状態なら気持ちよく仕事を進めることができます。

(2)使いやすさと安心感
リモート環境においてオンラインでのミーティング参加等の機会は増えるでしょう。しかし機能が難しかったりトラブルが起こってミーティング開催に影響が出ては業務に支障をきたしてしまいます。いかに使いやすく、そして困った時にすぐサポートできる環境を用意できるかが大切です。

(3)同じ成果が出せる
リモートワークのメリットはどこでも仕事ができ、また必要に応じて集中できる環境を作り出すことができる点です。

管理する側としてはリモート環境におけるセキュリティについても整備する必要がありますのでその点は注意が必要ですが、ストレスなくいつでも快適な仕事環境で同じ成果が出せるようになればおのずと集中力も高まり生産性も高まることでしょう。

リモートワークによるワークライフバランスへの相乗効果

リモートワークによるワークライフバランスへの相乗効果 イメージ

ワークライフバランスを実現できる環境を整備すると、生産性向上だけではないメリットが出てきます。通勤時間の短縮による「ライフ」の充実はもちろんのこと、様々な相乗効果が期待でき、その結果従業員満足度もあがって企業イメージも向上します。

(1)場所に縛られない新しい働き方の実現
場所に縛られない働き方は、特に育児や介護など突然発生するイベントに備えやすくなります。ケガや病気で移動に負担のかかる人に配慮できますし、子供が熱を出したり、平日でなければ対応できない諸手続きのために結局1日まるまる休暇を取得するしかない従業員にリモート環境で働ける環境は大変有難いものです。

【事例紹介】「ワーキングマザーのワークライフバランスを支え仕事の生産性向上」

(2)ワークスペースコスト、通勤コストの縮小
リモートワークする従業員が増えれば、オフィスのワークスペースの縮小やフリーアドレス制等の活用、また通勤手当のコストも削減できるようになります。

(3)コミュニケーションの増加
リモートワークになるとコミュニケーションが減る、という心配もあるようですが、会議室を予約して開催案内を通知して、という手間をかけずに、より気軽にチャットツールやWeb会議で話したい時にすぐコミュニケーションを簡単にとることができます。

このように企業にも従業員にもプラスになるワークライフバランスは、そのまま企業の評判にも繋がり、結果として採用応募が増えるでしょう。新しい職場環境は女性にも優しく、形だけの女性登用ではなくむしろ男性女性関係なく積極的に経験豊かな社員を育成することができるようになります。

企業も雇用者も幸せになる働き方改革

今の「働き方改革」は現状の労働環境に適用しない労働者をふるいおとして残った労働者に負担を強いるものではなく、労働環境をより柔軟にすることでだれもが快適に働けるように労働人口を増やす方向に転換することが正解に近づけます。そしてそれを実現できる企業がこれからの予測不可能な世の中で生き残っていけるのです。一人一人がいつまでも元気にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)ができ、企業成長をとおして社会に貢献できるようになることを私たちは願っています。